過去問はできるのに模試で点が上がらない…。模試・過去問との相性って?




先週の木曜日に合不合第4回の結果が発表になりましたね。

昨年、私も模試の度に、まだかなまだかなと、何度も四谷大塚のサイトにアクセスし、更新されないデータを見てはドキドキし、ため息をついていたことを思い出します。
試験は終わってしまっているので、どうしようもないのですが。

模試の結果に一喜一憂するなと言われますが、そんな訳にもいかず、よければ喜び、悪ければ落ち込み、ですが、子どもにはそんなそぶりは見せないようにして。

日能研の模試は、翌日には結果発表でしたので、精神的には、すぐに切り替えできていたと思います。

10月の今の時期になると、過去問演習も進み、模試の判定で出ているほどできなくもない、あるいは、模試ではいい判定が出ているのに、逆に思ったほど過去問ができないということがありました。

模試、過去問、それぞれの相性みたいなもの、もやもやとしていますが、実際にあると感じていましたので、あくまで個人的な見解ですが、以下、記してみます。

模試の大きな特徴

模試は偏差値の分布表が正規分布+なだらかな山型になるように作ってあり、満点(でも満点をとる人はいる)や0点がとりにくく、基礎から応用まで難易度もばらけている。
塾の模試なので、塾の教材、カリキュラムにある程度準拠して作ってある(内部生が有利なところもある)。
首都圏模試中学、合不合中学、日能研公開模試中学、サピックスオープン中学がそれぞれあるイメージ。
複数回で分野を網羅するように作られているため、志望校の過去問では出題されないような分野も出てくる。

学校ごとに各科目の配点や試験時間が異なる

模試と実際の入試では、各科目の配点や試験時間が異なります。

模擬試験

模試 算数 国語 理科 社会 合計
首都圏模試 150点/50分 150点/50分 100点/35分 100点/35分 500点
合不合 150点/50分 150点/50分 100点/35分 100点/35分 500点
日能研合格判定テスト 150点/50分 150点/50分 100点/35分 100点/35分 500点
サピックスオープン 150点/50分 150点/50分 100点/40分 100点/40分 500点

理科・社会は過去問では40分のところが多いのですが、模試は35分が多く、この5分の違いで、見直しが十分にできないという回もありました。

中学入試

中学校 算数 国語 理科 社会 合計 受験者
平均点
2016年
合格
最低点
開成中学校 85点
60分
85点
60分
70点
40分
70点
40分
310点 183.8点 196点
麻布中学 60点
60分
60点
60分
40点
40分
40点
40分
200点  ー 103点
雙葉中学 100点
60分
100点
60分
50点
40分
50点
40分
300点 195点
浅野中学 120点
50分
120点
50分
80点
40分
80点
40分
400点 210.8点 223点
サレジオ学院中学校
A日程
100点
50分
100点
50分
75点
40分
75点
40分
350点 209点 215点
神奈川大学附属中学校
A日程
100点
50分
100点
50分
100点
40分
100点
40分
400点 266.4点 274点
東京都市大学附属等々力中学校
S特選コース
100点
50分
100点
50分
50点 50点 300点 156点

※東京都市大等々力S特選の理社は2科目合計60分。

下の4つはケイが受験した学校ですが、それぞれの学校で配点も異なり、目指す合格最低点の得点率も異なりました。
また、偏差値の高い低いと問題の難易度は一致しないですし、同じ学校でも科目で難易度は異なります(例えば偏差値50でも、算数は50くらいで、理科社会は55くらいの難易度みたいな)ので、戦略は学校別、科目別で立てていきました。

そもそも、入試は合格最低点を超えることを目指しますが、模試の場合は、できるだけ高得点を目指しているので、点の取り方、戦略が異なります。

模試は、算数・国語のウェイトも多く、問題数も多く、点差もつきやすいので、算数・国語が得意だと点数が出やすい傾向があると思います。

模試は、絶対的な学力を測るためのもの。

ですので、模試で高得点をとることができれば、特別な対策を行わなくても、どの中学校の入試問題でもある程度は得点できると考えます。
処理能力が高く、1つの問題にかける時間が少なく、正確に解ける子は点数が出やすい。
(ケイは、そこまでの力がなかったので、全部解こうとするのをやめて、自分が解ける問題を確実に解くようにすることで、得点できるようになりました。)

逆に、本番の入試は、順位付けをするためではなく、合否の判断をするためのもの。難関、上位校では、最高点も満点になることはあまりない。
学力的にもあまり差のない受験者層(入試の偏差値帯も平均点〜合格最低点あたりに集中する急な山型)ですので、記述式で思考の深さを見たり、自分の学校に来て欲しい生徒を見分けるような問題を出題もしている。

過去問は、算数・国語と理科・社会で配点があまりかわらなければ、得意科目で苦手科目をリカバリーできる。

この学校では、こんな問題は出ないとか、頻出分野で得意な分野があったり、不得意な分野が出ないみたいなところも相性だと思います。

各科目でのケイの場合の相性やその対策ですが、

算数

<パターン問題>
パターン問題の基本問題がそのままの形で出る学校の過去問→特に問題はないので、なるべく全部解く
パターン問題がそのまま出ることはない、または、オリジナルの問題を出題する学校の過去問→捨て問を見分けてできる問題を優先して解く
模試は、この中間で、パターン問題はといて、必ず正解するように見直しも行う。

<頻出分野>
志望校では、3:4:5の三角形、正三角形を使った平面図形の問題がよく出る。
→最初は解けなかったが、過去問だけでなく、他校の過去問や問題集で類題もやって、得意な分野としていった

<計算スペース>
計算スペース(余白)が、模試の場合少ないことも。これが原因で、計算ミスを犯したことが数回あった。
過去問は、実際の入試の形式にあわせ、プリントアウト。十分なスペースで計算し、ミスを最小限にする工夫もしていった。

国語

<文章の長さ>
浅野やサレジオ学院は約8,000〜10,000字の文章が出題されるので、過去問をやっていく中で読むスピードを付けていった。
それで培ったスピードは模試でも役立ち、空欄を残すことはほとんどなかった。

<文章の題材>
男子校中心受験だったので、模試で題材とされ、あまり得点ののびなかった女の子の人間関係的な題材の試験回は、参考記録として深追いしなかった。
実際に、入試では、そういった問題は出なかった。

<文章の抽象度>
模試で何言っているかよくわからないという問題が出た場合は、みんなよくわからないからと割切り、その後も難解な文章の読解の訓練は行わなかった。

<記述問題>
志望校は、長い記述問題は出ず、MAX100文字程度の記述なので、要素を3,4つ入れてまとめる方法を訓練した。
※採点基準は、各模試、あるいは、各学校で基準が異なるのでなかなか難しいところです。
※書いてある要素をまとめるだけでいいか、そこに自分の視点も入れ込むかみたいなところ。
※必要な要素が欠けていても独自の視点が入っていれば加点になる場合もありますし。

<詩・知識問題>
模試では出題された
詩、文法、文学史→されないので、模試での失点はしかたがないとし、対策しなかった
漢字の部首や書き順→問われないので、模試での失点はしかたがないとし、対策しなかった。

理科・社会

<求められる知識は?>
細かな知識を突き詰める問題か、流れや仕組みの理解力を確かめる試験か。
細かな知識が多く出題されている場合は、どんどん解いていき(悩んだ場合は印を付けて次へ)、流れや仕組みの理解力を確かめる試験は、問題を解く前に、しっかり、問題文、図表の特徴をしっかり確かめた上で解く。

<社会の時事問題の出来不出来について>
時事は、これから各塾から資料集が発売され、冬期講習や1月の追い込みの時期にやりこむと思いますので、模試でできなくても、直前に一気に得点上がると思います。
過去問の古い時事や公民の古い問題(議員定数、その時の首相や大統領の名前など)はできなくてもよい。

<苦手分野>
理科は、ケイの場合、苦手分野の動植物の分類やつくりの問題の有無で点数が上下。
→出題されなかった年度は点数がよかった。最後の最後に詰め込んでみた。けど、浅野で出題された問題はできなかった。

<計算問題は危ないことがある>
模試では、解けそうで解けない計算問題にはまって、時間が足りなくなったことがありました。
→過去問でも同様の失敗をしたため、引っかかりそうだったら保留にすることに、追い込み時期に決めた。

その他

<引っかけ問題や注意が必要な問題>

「ひらがなで書け」「○○ではないものを選びなさい」「正しいものをすべて選びなさい」

模試の場合は、いろいろな学校での出題を想定して、いろいろな引っかけ方がある。
→過去問の場合は、一定の引っかけ方なので、まずは、必ずその部分は問題文に線を引いて注意するようにした。

模試の結果か過去問の出来、どちらかを信じるか?みたいな話

我が家の場合は、

どっちも合格圏に届いていない→合格は厳しい。
どっちも合格圏に届いている→特に問題なし

の判断で。過度の期待はせず、その認識は常に持っていました。

模試は届いているけど、過去問は届いていない→それはなかった。

悩ましかったのは、
「模試は合格圏には届いていないけど、過去問は届いている、届きそうだ」
の場合。

模試の場合の合格判定、合不合の場合、50%と80%のラインが引いてあります。
50%に届いていれば、合格の可能性は十分にあると考えていましたし、実際に入試でもそうなりました。

じゃあ、模試での合格率が30%だとダメなのか?ということになりますが、ケイの場合浅野がチャレンジ校で30%(どっちも合格圏に届いていない→合格は厳しい でスタート)。
不合格でした。

だからといって受験をしなかったわけではなく、日程や併願状況が許せば受験した方がいいと思います。
ギリギリまで対策し、頑張りましたが、合格には届きませんでした。
あくまでも我が家の事例ですので、もっとうまくやることで(うちの場合は、算数の基礎+α対策の時間が足りませんでした)合格圏に入ることも可能だと思います。



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