癌の治療と未来について考えること




ブログの更新が久々となりました。

実は、現在癌を患っており、治療しております。

中学受験ブログと同様に、私の体験が私と同じような病気で悩まれている方の少しでもお役に立てれば、あるいは、早期発見につながればと思い、ブログに記しておきます。

喉頭癌の治療中です

<2016年1月>
ケイの受験本番前の1月頃から声がかすれるようになり、その時は、風邪の前兆、疲れで喉が腫れている?くらいに思い、加湿器、喉の腫れの薬を飲んでいました。

<2月〜4月>
この期間は、受験のため、ため込んでいた仕事、年度末年度始めということもあり、仕事に追われ、また、ケイの卒業入学イベントや準備などで、特に病院に行くこともなく、そのまま放置していました。

<4月末>
GWを控え、ようやく時間が取れるようになったのと、声があまりでなくなってきて、喉も痛み始めたため、かかりつけ医に診てもらいました。
内視鏡の検査の結果「声帯ポリープ」の疑いと診断され、精密な検査をということで総合病院を紹介されました。

<5月>
総合病院で内視鏡による検査。病理検査の結果、
悪性腫瘍(癌)の疑い→再検査→喉頭乳頭腫(良性腫瘍)だろうという診断。
腫瘍の切除手術をすることが決定。

<6月>
手術前日1日入院→全身麻酔による手術、入院→翌日退院
切除した腫瘍の病理検査の結果、良性腫瘍ではなく、悪性腫瘍(=喉頭癌)と診断。
大学病院を紹介される。

<7月>
CT検査で、癌の他の部位への転移がないかの検査。→転移無し。
ステージ1の喉頭癌の診断。
5年生存率は90%以上なので、治りますとのこと。

腫瘍の切除により大部分の癌は取り除けている。
深部の治療のため、放射線治療を受けることに。
全33回。

<8月16日現在>
放射線治療全33回のうち18回目まで終了しました。
週5日。毎日、通院外来での治療を受けています。

幸い入院しなくても治療できるため、午前は治療、午後は仕事で、食事の制限や若干の副作用などもありますが、生活も普通にできています。

こんな状況ですので、これからどう生きていくか、あらためて、自分の人生や家族や友人とどうやって過ごしていきたいか考えました。

同じ時期に、同世代の友人の訃報などもあり、5年生存率は90%以上とはいえ、たばこもケイの妊娠発覚から吸っていない、お酒も1年間、ほぼ禁酒の生活で、なりそうにもない喉頭癌になってしまった。

やはり、死について考えました。怖いのは死ぬことよりも、家族や友人と別れること。

フリーランスで、基本的に一人でやっているつもりの自分でしたので、意外な感情でした。

中学受験が終わり、少し、自分のことをメインにと思っていましたが、家族や友人と一緒に何かを成し遂げていくこと、作り上げていくことをこれからも続けようと思います。

この結論には2つの出来事が影響しています。ぼんやりと自分が考えていたことと同じようなことを思っている人々がいる。そんな風に思いました。

あの頃の未来にボクらは立っている

1つ目は、8月初旬読んだ書籍、京都大学客員准教授瀧本哲史さんの『ミライの授業』

著者の奥様より、ターゲットが14歳ということで、ご紹介いただきまして(Amazonベストセラー1位。書店でも平積みになってます。ちょっと、ステマさせてください)、来年14歳を迎えるケイにもぜひ読んでもらいます。


ミライの授業

きみたちはなぜ学ぶのか?
学校は、未来と希望の工場である−。
きみたちは「魔法」を学んでいる。

こうあるべきだ、こうでなきゃいけないといった常識や思い込みに縛られず、大胆な発想でも、仮説を立て検証し、新たな発見をしていく。そして、人々を巻き込みながら世の中を変えていく。
それが実現可能なのは子どもたち。
人と違うことに不安を感じる必要はなく、また、攻撃すべき対象でもない。ダイバーシティの中のー個性。
自分の未来、可能性を信じて自信を持って前に進んで欲しい。

私たちが子どもだった頃に未来についてさまざまな思いをはせたと思います。
ドラえもんだったり、バック・トゥ・ザ・フューチャー、ブレードランナーが描いているような世界。
それとも、退屈なサラリーマンとなり、満員電車に揺られる毎日?
ベルリンの壁の崩壊で、世界は完全にボーダレスになるのか?
ノストラダムスの大予言のとおり世界は滅びるのか?
男子校生のボクに彼女はできるのか?

実際は、ジョンレノンやマイケルジャクソンはいなくなってしまったけど、イチローはいる。
ドラえもんはいないけれど、人工知能や二足歩行のロボットはできてきた。
9.11、3.11のような悲しい出来事もあったけれど、
ノストラダムスの大予言は当たらず、地球は滅びることなく存続し、宇宙旅行は現実のものになってきている。
国の間の対立はなくならないけれどもインターネットで世界はつながっている。
僕は結婚し、子どもが2人いる。

全てが思うほどうまくはいかないけれども、思っていたほど悪くもない。

曇りや雨の日もあれば、晴れの日もあり。
あの頃の未来に立っているけれど、子どもたちのそばにいると、主役ではないけれども、次の未来のことを考えていくことはとても楽しいなあ。
そんなことを考えている今日この頃です。

当事者となり、後進の後押しをする

2つ目は、中高一貫校との友人たちと話したことでした。

40代にもなると、それぞれの場所で自分で手を動かすのではなく、組織を回す役になっています。

実際に動いてくれるのは若い世代なわけですが、その若い世代の挑戦に対して、萎縮するだけのダメ出しをするのではなく、見て覚えろというのも今の時代乱暴なやりかたかなと。
経験や方法をヒントを出しながら伝え、金銭面の援助であったり、何度もトライできるチャンスであったり、アドバイスであったり、当事者の一人として、一部分として、サポートをする。

そうやって世の中を回していこうというような話をしていました。

山本五十六の名言
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
まさにこれかなと。

決意というか、今書き留めておきたい感情を書き殴った感じの今回のブログでした。



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コメント

  1. ぴら。 より:

    ご事情存じ上げず、いつも不躾なコメントを残してしまって申し訳ありませんでした。そして大変な時にも関わらず、いつも温かいアドバイスやメッセージを書いて下さっていたのだと思うと、涙が出ます。
    本当にいつもありがとうございます。
    チチさまが毎日笑顔で過ごされること、東京の片隅よりお祈り申し上げます。

    • チチ より:

      >ぴら。さん

      いえいえ。全然問題ありませんよ。このブログを通じて出会うことができ、少しでもお役に立つことができれば、本望ですので。

  2. すだち坊主 より:

    同じ時期に娘が受験をしていて、このブログには非常に勇気づけられました。

    チチさんが充実した毎日を過ごされますよう、早い回復をお祈り申し上げます。

    • チチ より:

      >すだち坊主 さん

      ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
      その後、娘さんの中学校生活はいかがですか?

      残り1ヶ月ほどの治療頑張ります。

  3. ボンドスコ より:

    チチさま
    以前、入学後に書き込ませていただきました、大阪のものです。

    久しぶりのブログ、拝読いたし、心よりご回復をお祈りしております。

    そうですね、私の周辺でもいろいろございましたので、同じ様に考えるお盆を過ごしました。
    ミライの授業、是非子どもにも読んでもらいたいですね。
    私は、母親として、あの頃に想像もしていなかった多くの経験し、充実していますが、もっと大きな夢を見てもよかったな、と思う時があります。
    子どもには、無謀でも大きな夢を叶える応援をしたいですね。

    • チチ より:

      >ボンドスコ さん

      ありがとうございます。この歳ごろになると、自分や周りにいろいろありますよね。
      確かに、あの頃は親としての未来は何も考えていなかったので、多くの驚くような経験をしたと思います。

      子どもたちには、豊かな発想で、思う存分、これからの人生を送って欲しいと思います。

  4. 栗しょこら より:

    チチさん

    お久しぶりです。ついさっきブログを拝見させていただいて非常に驚きました。一日でも早い完全回復を心からお祈りいたします。

    チチさんは同時期、大切な子どもの中学受験を戦ってきた同士です。それも一年以上。トンネルの中で光を見いだせない時に。このブログを参考にさせていただきました。

    今回の出来事、他人事とは思えません。ただ一方で、咽頭がんは、早期治療できれば完治が期待出来るがん種だと様々な記事で書かれていました。ましてやステージ1とのこと。軽はずみなことを書く事は出来ませんが、後半に差し掛かった人生をどう生きるのか、神様がくれた課題として、是非とも前向きに乗り越えていただければと思います。

    僕に何が出来るかわかりませんが、何かできることもあると思いますので、困ったことがありましたら気軽にご相談ください。

    オリンピックが佳境ですね。今年はメダルが多いおかげで、少し寝不足気味です。メダリストの、勝ち負けギリギリの苦しい場面を粘って勝利につなげる精神力には本当に感心させられており、いつも子供にそうなってほしいと思いながら見ています。

    ケイ君と同級生のマロンですが、今は軟式テニス部に入り忙しくしています。先日も錦織選手のプレーを見て、「自分には無理。素材が違う」と早々にあきらめていましたが。

    「ミライの授業」の情報もありがとうございました。先ほどアマゾンで無事購入できました。8月26日に入荷予定とのことで、やはり人気の書籍みたいですね。自分で読んで、マロンにも読ませます☆

    • チチ より:

      >栗しょこら さん

      ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。

      私も中学受験を戦ってきた同士とおもっております。
      その都度的確なアドバイスもいただいて、大変助かりました。

      ステージ1の喉頭癌の5年生存率は9割を超えていますので、早期発見できたことを不幸中の幸いと捉え、治療続けています。

      >僕に何が出来るかわかりませんが、何かできることもあると思いますので、困ったことがありましたら気軽にご相談ください。 

      優しいお言葉、ありがとうございます。

      マロン君テニス部頑張っていますね。ケイも部活で、真っ黒になりながら、毎日出かけています。

      「ミライの授業」は、日々の生活に追われてなかなか未来ということを考える時間がなかった自分にとってはとてもタイムリーで、頭の中の整理と子どもたちへの接し方のヒントになりました。ぜひ、読んでみて下さい。

  5. まきろん より:

    お久しぶりです。
    我が家はチチさんとケイくんのことを勝手にライバルだと思っており、先ほどブログを拝見しみんなで動揺しました。1日も早く回復されますようお祈りしております。

    私も4年ほど前に病気になりました。
    薬が効かなければ、日常生活がかなり制限される病気になってしまった事に大きな衝撃を受けました。今は薬が効き、寛解という状態になっています。

    病気になって初めて健康の素晴らしさ?に気がつくものですね。食事に気をつけたり、水泳をしたり、ウオーキングをしたりと私はかなりの健康オタクになりました。

    うちも下の子はまだ5歳。
    まだまだ私も頑張りますよー!

    • チチ より:

      >まきろん さん

      ご無沙汰しております。そして、コメントありがとうございます。

      > 我が家はチチさんとケイくんのことを勝手にライバルだと思っており、

      ライバルと思って頂き光栄です。ケイは、彼なりに頑張っておりますので、
      私もライバルの名に恥じぬよう、治療頑張ります。

      健康であることのありがたさは、本当に痛感しております。
      思うようにならないことも多く、やりたいこともあり、焦りで、
      ストレスとうまく付き合う日々です。

      >うちも下の子はまだ5歳。

      そうです。下が20歳になるまではくたばれないので、今できる限りのベストを尽くしてやっていきます。

  6. ルークの父 より:

    お久しぶりです。

    チチさんのブログの更新がなかったので、久しぶりにメッセージでも送ろうかなと思っていたところ、ブログを読ませていただき、言葉を失ってしまいました。

    そういうことが生じうる年代に私たちもなったということですね。

    チチさんとは一度もお目にかかったことがありませんが、息子の中学受験勉強中、ずっとブログを読ませていただき、我が子の合格のために奮闘する同志と勝手に思ってきました。

    そういう方がこんな目に遭うのは、私もつらいです。

    でも、ご家族もいらっしゃるし、ご本人も自分を冷静に見つめられる方だと思いますので、この難局を乗り越えることはできると信じています。

    今は治療が大変でほかのことに時間と労力を割くことは難しいとは思いますが、落ち着いたらまた子育て話などしましょう。

    May the Force be with you.

    • チチ より:

      >ルークの父 さん

      お久しぶりです。そして、ご心配おかけして申し訳ありません。

      > チチさんとは一度もお目にかかったことがありませんが、息子の中学受験勉強中、ずっとブログを読ませていただき、我が子の合格のために奮闘する同志と勝手に思ってきました。

      はい。私もそう思っています。中学受験そして、これからも子育てをする父親同志よろしくお願いします。

      >でも、ご家族もいらっしゃるし、ご本人も自分を冷静に見つめられる方だと思いますので、この難局を乗り越えることはできると信じています。

      はい。家族のサポートもありますし、中高時代の同級生、ご存じの通り、100人以上医者ですので、彼らの言葉に非常に助けられています。
      何かあったときでも、いつでも受け入れてもらえる状態なので、それが心強く、先の不安をあまり考えることなく、日々の治療に集中できてきます。

      >落ち着いたらまた子育て話などしましょう。

      ルーク君とケイの今と将来、そして、うちはまだまだ先ですが2人目の中学受験のこと、ぜひ、お願いします。

  7. えにも より:

    チチさん、こんにちは。大変ご無沙汰しております。
    昨夏ブログを始める時に、心強いメッセージを頂きありがとうございました。
    なかなかコメントできず、大変申し訳ございません。
    ブログは静かに、拝見してました。
    親子で頑張ってる姿..いいなぁ..と
    (主に私)頑張ろう~と励みになってた気がします。

    そして、受験が終わった途端、ご病気になってしまうなんて・・。
    毎日、痛みと苦しみなどと闘っていらっしゃることを思う
    となんて言ったらよいのか..。言葉がみつかりません。
    (義母が癌でした。)
    治療が終わって、回復されましたら、
    アメーバのブログの方も(できましたら..)楽しみにしております。
    ミライの授業、読んでみたいです!子どもたちにも読んでもらいたいですね。
    おすすめの本なども、これからも教えて下さいませ。

    • チチ より:

      >えにも さん

      コメントありがとうございます。

      息子も私も、今年は、我が家は、困難にぶつかりながらも乗り越えていく1年となりました。

      治療、後半に入ってきました。何とかやり遂げそうです。

      アメブロ訪問させていただきますね。

      「ミライの授業」、ぜひ、ぜひ、ご一読下さいませ。